商業登記

商業登記とは、会社や商人について取引上重要な一定の事項(商号や本店、役員など)を法務局に備えられた登記簿に記載して公開する制度です。主に会社を設立するときや、役員の変更、合併などの組織の変更、新株の発行、会社の解散などの場合に登記を行います。

株式会社の設立

株式会社設立の流れ

株式会社を設立するまでの流れをおおまかに説明すると、次のとおりです。

1.定款を作成する

定款は会社の憲法といってもよいくらい重要なものですので、きちんと内容を検討したうえで作成する必要があります。

定款に記載する項目としては、次の三種類があります。

・絶対的記載事項(必ず記載しなければならず、ひとつでも欠けると定款自体が無効となるもの)

商号、目的、本店所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名及び住所

・相対的記載事項(記載しなくても定款自体は有効ですが、記載しなければ法的な効果がないもの)

株式の譲渡制限に関する規定、機関設置の定め(取締役会、監査役等を置く場合)、役員の任期を法律上の任期より長く設定する定めなど

・任意的記載事項(会社内部のきまりごととして記載しておくもの) 

定時株主総会の招集時期、株主総会の議長、役員の員数、事業年度など

2.公証役場で定款の認証を受ける

会社の本店所在地を管轄する公証役場で定款の認証を受けます。

定款認証に必要な書類・費用は以下のとおりです。

定款3通

各発起人の印鑑証明書

4万円の収入印紙

定款認証の手数料5万円

定款の謄本交付手数料(約2,000円)

代理人による定款認証の嘱託の場合は、「委任状」と「代理人の印鑑証明書または運転免許証等」

なお、定款の作成につきまして、当事務所では電子定款を作成できる環境を整えておりますので、書面で定款を作成する場合に必要な収入印紙代4万円を節約することができます。

3.出資金を金融機関へ払込む

発起人代表の口座にそれぞれの出資金を払い込みます。

4.設立登記を申請する

登記に必要な書類を作成し、管轄の法務局に登記を申請します。

  

株式会社設立にかかる費用 

株式会社を設立するのに最低限必要な費用は、以下のとおり約25万円はかかります。

定款認証手数料 50,000円
定款の印紙代(※1) 40,000円
定款の謄本手数料 約2,000円
設立登記の登録免許税(※2) 最低15万円
その他(会社の実印作成、印鑑証明書代等) 数千円〜

※1…電子定款の認証の場合、印紙代4万円はかかりません。

※2…資本金の額の1000分の7に相当する額。それが15万円に満たない場合は15万円。

 

株式会社設立後の届出 

設立登記手続が完了した後に、以下のとおりそれぞれ必要な届出をする必要があります。

提出書類 提出先 提出期限
法人設立届出書 税務署 設立から2か月以内
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 開設から1か月以内
青色申告の承認申請書 税務署 設立から3か月を経過した日または最初の事業年度末日のうちいずれか早い日の前日
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 税務署  
棚卸資産の評価方法の届出書 税務署 最初の確定申告の提出期限まで
減価償却資産の償却方法の届出書 税務署 最初の確定申告の提出期限まで
法人設立届出書 都道府県税事務所・市区町村 各自治体により異なる
健康保険・厚生年金保険新規適用届 年金事務所 設立から5日以内
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 年金事務所 設立から5日以内
保険関係成立届 労働基準監督署 保険関係が成立した日から10日以内
概算保険料申告書 労働基準監督署 保険関係が成立した日から50日以内
雇用保険適用事業所設置届 公共職業安定所 設置の日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届 公共職業安定所 資格取得の事実があった日の翌月10日まで

 

株式会社の変更登記

商号、目的、公告方法等を変更した場合

商号や目的、公告方法に変更があった場合、変更があった日から2週間以内に登記をする必要があります。

これらを変更する場合は、定款の変更を伴いますので、株主総会において定款の変更を承認したうえで変更登記をする必要があります。

 

本店を移転した場合

会社が本店移転をする場合、移転の日から2週間以内に変更の登記をする必要があります。

本店の移転先が定款で規定する本店所在地外である場合は、定款の変更も必要となります。

たとえば、定款で「当会社の本店は、京都府舞鶴市に置く」と規定している会社が、京都市に本店を移転する場合は、定款の規定を変更したうえで、本店移転の登記を申請することになります。

 

役員を変更した場合

役員(取締役、代表取締役、監査役等)に変更(就任、再任、辞任、死亡等)があった場合、その変更の日から2週間以内に登記をする必要があります。

また、現在の会社法では、一定の条件のもと、取締役会や監査役を置くかどうかは任意となりましたので、会社の実情に合わせた機関設計が可能です。この場合、定款を変更したうえで、取締役会や監査役を廃止する登記や役員変更登記が必要です。